妙心寺経蔵。寛永13年(1673)の建築で輪蔵(りんぞう)を設置。重要文化財に指定。普段は非公開ですが、梅雨明けの7月下旬の早朝6時前から二日がかりで山内の和尚さまによって800個余りの箱から出した経典を扇状にひろげ翻転して風を入れ、また、箱の中の埃を刷毛で落とす際、カラカラという音が奏でられ、虫干しは夏の風物詩の一つ。
正面の扉には「輪蔵」の創案者傅大士(ふだいし)さまが座しておられます。彼は禅宗の祖・菩提達磨と出会い、その指示に従い山中で昼間は農作業を行ない、夜になると仏道に励む在俗の生活をしながら仏さまに深く帰依。その後、たとえ文字の読めない人であっても、万人の誰もが仏さまに出会うことのできる方法はないかと考え、輪蔵を回転させ、納められた経文をすべて読誦した功徳を得られる方法を考案。
傅大士さまの著名な言葉。
「あさなあさな、仏とともにおき、ゆうなゆうな、仏をいだきてふす」
衆生が仏と一体となって仏道に生きることを奨めています。俗に「笑い仏 」と云われ、幸福の生き方の本質を追求した中国の高僧。
今日の早起きは三文の徳となりました。