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狸が棲むお山

狸谷山不動院(たぬきだにさんふどういん)。「狸谷不動院」とも云われます。

清水さんの舞台と瓜二つの本殿を持つお寺です。京都市内には、この狸谷さんと大悲山の峰定寺(ぶじょうじ)などに舞台(懸崖(けがき)造り)のお寺があります。

名の通り、このお山にはもちろん多くの狸が生息しているそうです。

 

境内には、宮本武蔵が修行をしたと伝わる滝や例年7月28日の「火渡り祭」(午後7時)では、無病息災を願い、護摩祈祷の残り火で作った火床の上を素足で渡る「火渡り行」が行われ、多くの人で賑わいます。


本殿までは250段の石段が待っています。石段の途中には、参拝者を迎える「お迎え大師」(弘法大師像)があり、全国を歩いた弘法大師にあやかれるよう、像のまわりには足腰の健康を願う「健脚わらじ」が多く奉納されています。

ちなみに、本殿前の最後の階段は42段です。

 

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●山号 狸谷山 (たぬきだにさん)
●宗派 真言宗修験道大本山
●開基 木食上人正禅 (もくじきしょうにんしょうぜん)
●開創 享保三年 (1718年)
●ご本尊 咤怒鬼(タヌキ)不動明王

   ※本殿の奥にある岩盤斜面の洞に安置。石像の不動明王。

●ご利益 交通安全、厄除け、ガン封じなど

●寺歴 平安時代、桓武天皇が都の北東に位置するこの場所に鬼門封じとして、不動尊を安置したのが始まり。江戸時代、宮本武蔵が吉岡一門との決闘を前に、滝行を修したとの伝承。享保3年(1718年)、木食正禅によって創建。